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免疫と自律神経Ⅰ

体の抵抗力とは?



免疫とは身体を守るシステムで、おもに血液の中の白血球が担っています。体内に入り込んだ異物(菌やウイルス)を処理していますが、白血球にはいくつか種類があり、異物の大きさに応じてマクロファージや顆粒球、リンパ球がその処理にあたります。マクロファージは異物を食べて分解したり老化した細胞を処理したりします。このマクロファージが進化したものが顆粒球とリンパ球です。顆粒球は大きな細菌などの異物を処理するのが得意で、リンパ球は顆粒球が処理できないウイルスなど小さな異物を担当します。
傷口からバイ菌が入り炎症を起こし、腫れ上がったりするのは顆粒球が異物を処理する際におこる反応ですが、困ったことに顆粒球は増えすぎると異物がいなくてもこのような炎症を起こし、自分の身体を壊したりします。盲腸や胃潰瘍、潰瘍性大腸炎、ガンや糖尿病などがこの反応によると考えられています。
これに対し風邪をひいてさらさらした鼻水が出たり、虫に刺されて赤く腫れたりするのはリンパ球が働いている反応です。リンパ球が増えすぎると異物に対し過剰に反応するようになり、花粉症などアレルギー疾患やアトピー性皮膚炎を起こしやすくなります。

顆粒球とリンパ球はどちらが多くても少なくても、それぞれ良くない反応を引き起こします。健康な人の白血球の割合はマクロファージが5%、顆粒球が50~65%、リンパ球が35~41%といわれていますが、この割合をコントロールするのにどうやら自律神経が関与しているということが近年分かってきました。

私たちの身体のたくさんの機能は自律神経によって調節されています(参照・自律神経失調症)。また自律神経は交感神経と副交感神経に別れています。これは車のアクセルとブレーキに相当します。たとえば心拍数を上げる(アクセル)のは交感神経で下げる(ブレーキ)のは副交感神経です。この自律神経が免疫にどのように関わってくるのでしょうか?

次回に続きます。